薬剤関連顎骨壊死になってしまいました。どのような治療を行うのでしょうか?
薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)は歯を支えたりお顔の輪郭を作る骨への微生物による感染や骨そのものの壊死を起こす病気です。そのため、治療としては感染の制御や壊死部分の除去が必要となります。病状に応じて治療方法を選択します。
保存的療法
抗菌薬投与や病変の洗浄などにより、壊死部分を積極的に切除せず治療する方法です。ほとんどの場合入院は不要ですが、治療に長期を要します。
保存的療法
抗菌化学療法
抗菌薬の投与 : 全身的投与、局所投与、瘻孔や歯周ポケットの洗浄を行う。病状に応じて複数の抗菌薬投与を行ったり、長期の抗菌薬療法を行うことがある。
洗浄療法
洗口薬の使用、病変部の組織洗浄など。腐骨の自然分離を促進させる。
高気圧酸素療法
高気圧酸素タンクの中で100%酸素を吸入して全身に酸素を供給する治療です。保存的療法や手術療法との併用も可能で、治療効果が上がるという論文報告もあります。
※現在、一部の施設でのみ実施可能
手術療法
壊死部分を取り除く治療方法です。取り除く範囲の大きさや部位によって麻酔方法を選択します。入院や、手術後にお口の機能のリハビリテーションが必要になる場合があります。
手術療法
腐骨除去術
洗口薬の使用や病変部の組織洗浄で腐骨の自然分離を促進させる。
壊死骨掻把
壊死した顎骨を可及的に掻把して上皮を誘導させ、治癒を促す環境作りを行う。
顎骨の辺縁切除または区域切除
顎骨の切除範囲を決めて切り落として病変部を排除する。
治療方法のまとめ

病状に応じて治療方法を組み合わせて行います
回答者
横浜労災病院 歯科口腔外科
※本ページは、令和6年3月作成時のMRONJ冊子の内容を基に作成しています。
掲載している所属・肩書等は作成時点の情報であり、現在と異なる場合があります。
壊死骨が除去された後はどうなるのでしょうか?
手術により壊死した骨を取り除く場合、手術の方法・範囲にもよりますが、顎骨の形態、機能を喪失します。
切除範囲が広い場合、特に下顎の骨の連続性がなくなるような切除が必要とされる場合の多くは、金属製のプレートや体のほかの部位の骨を用いた再建手術を必要とします。
骨がくぼむ程度の欠損の場合は、義歯の歯肉部分を大きく厚みを持たせるような形で補う「顎補綴」で見た目や機能を補えることがあります。
いずれの場合も高い専門性を持った医療機関との連携の上、治療を行います。





