がんの治療に、顎骨壊死を起こすかもしれないお薬が必要となるのはなぜですか?
がんは進行すると全身のさまざまな臓器に転移しますが、骨は転移しやすい臓器の一つです。骨転移は主に肺がん、乳がん、前立腺がんでみられますが、疼痛、病的骨折、脊髄圧迫による神経障害、高カルシウム血症などさまざまな合併症を起こします。その結果、がん治療が続けられず治療成績を悪化させたり、本人の生活の質(QOL)を低下させうる、注意すべき病態です。
骨転移を抑制するためには、もとのがんの治療とあわせて、支持療法として骨修飾薬の適切な使用が重要です。ビスフォスフォネート薬であるゾレドロン酸(ゾメタ®)および抗RANKLモノクローナル抗体製剤であるデノスマブ(ランマーク®)が使用されます。日本ではいずれも悪性腫瘍の骨転移または多発性骨髄腫の骨病変に保険承認となっていますが、多発性骨髄腫では抗腫瘍効果(がんの抑制効果)も示されており、より積極的に導入されます。
いずれの薬剤も、緊急で使用する場合を除き原則歯科併診を行い、MRONJのリスク評価および歯科治療介入を行ってから使用します。
回答者
髙橋 寛行 先生
神奈川県立がんセンター 血液・腫瘍内科
神奈川県立がんセンター 血液・腫瘍内科
※本ページは、令和6年3月作成時のMRONJ冊子の内容を基に作成しています。
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